
トラリピを設定しようと思ってもどんな設定をすればいいのかわからなかったりしますよね。
たとえば
「トラリピを始めたばかりでどんな仕掛け方をすればいいのかわからない」
「トラリピにはどんな設定があるの?」
「売りも買いもできる設定ってないのかな?」
などトラリピをはじめたいけど、どんな設定にすればいいのかわからないと思っていたりしませんか?
また売りも買いも両方仕掛けたいと思っている方もいるでしょう。
たしかにトラリピはできることが多いので、どんな設定をすればいいのかわからないとなってしまうかもしれません。
そこで今回はFXでも使われる手法で、売りも買いも注文する「両建て」について詳しく解説します。
うまく使えば十分有効な手段だと思うので、効果や知っておくべき注意点を確認しておきましょう。
トラリピで仕掛ける両建てとは?
そもそも両建てとはFXで使われている手法となり、一般的には以下のように認識されています。
※両建て取引・・・一つの口座で同時に売りポジションと買いポジションを持つことができる取引
売りと買いのポジションを両方注文する方法ですね。
たとえば米ドル/円を1ドル=100円の時に1000通貨買って、101円に値上がりしたら売ると1000円の利益です。
これとは逆に1ドル=100円の時に1000通貨売って、99円に値下がりしたら買い戻すことで1000円の利益が取れます。
これらを同時に仕掛けることで、1ドル=100円からどちらに動いても1000円の利益が取れますね。
これがFXで使われる手法の両建て取引です。
ではこの手法をトラリピでおこなうと、どうなるのでしょうか?
たとえば100円から1円刻みで、1000通貨ずつ買いと売りの注文を入れるとします。
買いの注文
- 101円で買って102円で売る
- 100円で買って101円で売る
- 99円で買って100で売る
売りの注文
- 101円で売って100円で買う
- 100円で売って99円で買う
- 99円で売って98円で買う
少しわかりやすくするために、以下の図を確認ください。
この時にポイントとなるのは、再び100円に戻ってきた時です。
両建てで100円に戻ると
- 買いのトラリピでは合計3000円の利益
- 持っているポジションの含み損は101円~100円で1000円
- 売りのトラリピでは合計3000円の利益
- 持っているポジションの含み損は99~100円で1000円
売りと買いのトラリピで出た利益を合計すると6000円の利益が取れており、含み損は合計で2000円抱えている状態です。
売りと買いのどちらかのトラリピだけを仕掛けていた場合と比べると、利益も含み損も2倍となりました。
ではこのサイクルを何回か繰り返した時の利益や含み損はどうなるでしょうか?
買いのトラリピ注文を繰り返した場合
- 買いのトラリピは5000円の利益
- 保有ポジションは101円から100円で含み損が1000円
このように利益だけ増えて含み損は変わりません。
売りのトラリピも同じ結果となります。
売りのトラリピ注文を繰り返した場合
- 売りのトラリピは5000円の利益
- 保有ポジションは99円から100円で含み損が1000円
そのため売り買いを合わせると、10.000円の利益で含み損は2000円です。
同じレンジが続くことで、利益が6000円から10.000円に増えました。
しかし含み損は2000円のままです。
1回目と2回目を比べると
利益
- 買いのみ:3000円⇒5000円
- 両建て:6000円⇒10.000円
含み損
- 買のみ:1000円で同じ
- 両建て:2000円で同じ
比べてみるとわかりますが同じレンジで注文を繰り返すと、1回目と2回目は利益が両建ての方が大きくなっています、しかし含み損は変わりません。
このように売りと買いを両方仕掛けることで、同じ注文を繰り返すほど利益が伸びていく仕組みとなります。

トラリピで両建てを仕掛けた時のメリット
両建ての仕組みについてはわかったと思いますので、メリットについても紹介しておきます。

上がっても下がっても利益が取れる
先ほどの説明でわかったかもしれませんがレンジ相場で同じ価格を上下する場合、売り買い片方だけでトラリピを仕掛けるよりも両建ての方が2倍の利益を取ることができます。
つまり価格が上がっても下がっても、どんな状況でも利益が取れることが最大のメリットです。
設定した価格範囲内であれば、雪だるま式に利益がどんどん増えていきます。
証拠金は2倍かからない
両建ての時に1番心配になるのは、「証拠金が2倍かかるのでは?」ということではないですか?
売りと買い両方の注文を出しているので、証拠金も2倍かかりそうなイメージがあるかもしれません。
しかし両建てを仕掛ける時に必要な証拠金は、売り買いどちらか多い方だけでいいのです。
その理由はマネースクエアが両建てマックス方式という証拠金制度を採用しているから。
両建てマックス方式・・・両建て取引における証拠金に関し、各通貨ペアの売りの合計と買いの合計を比較し、合計の多い方に対して証拠金を算出する方式のことです。
たとえば100円で買いのポジションを持てるのか、100円で買いと売りのポジションを持てるのなら、後者を選びますよね。

トラリピで両立てを仕掛けた時のデメリット
メリットだけ聞くと普通にトラリピをするよりも、両建てで仕掛けた方がいいと思ってしますよね。
しかし両建てにもデメリットはあります。
どんなデメリットがあるのか確認してみましょう。
ロスカットレートが上下にできてしまう
両建ての一番のデメリットは、売りと買いの両方を注文するのでロスカットレートが上下にできてしまうことです。
極端にどちらかの方向へ価格が進んだ時にロスカットになってしまいます。
たとえば買いだけのトラリピの場合は上抜けてしまう分には問題ありませんが、下に抜けてしまうとロスカットとなります。
これなら片方だけにロスカットレートができるので、上に抜けてしまう分には問題ありません。
しかし両建ての場合は、売りと買いの注文をするので上にも下にもロスカットレートができてしまいます。
このように通常のトラリピに比べて、上にも下にもリスクがあるのがデメリットの1つです。
ですが最初にしっかりとリスク管理をしていれば大丈夫だと思っています。
なぜなら始めに設定する範囲を広くとっておけば、すぐにロスカットになる可能性が低いからです。
そもそもトラリピは、損切りしないことを前提に仕掛ける範囲を決めることがほとんどでしょう。
そのためレンジ幅も広めにとり、ロスカットされないようにプランを考えます。
レンジ幅を広めに取っておけばその範囲内であれば、利益をコツコツ上げ続けてくれるでしょう。
そして利益が増えてくれば余力資金も増えてくるので、ロスカットレートも自然に広くなっていきます。
このように上下にロスカットレートがあったとしても、最初にリスク管理をできていればあまり問題はないでしょう。
マイナススワップや手数料が倍かかる
マネースクエアでは両建てに関して、
手数料は売りポジションと買いポジション双方必要となり、売値と買値の価格差(スプレッド)についても負担がかかります。
なお支払いのスワップと受取りのスワップの差を負担することなどのデメリットがあり、経済合理性を欠くおそれがありますので、当社ではお勧めしておりません。
マイナススワップと手数料が余計にかかってしまうので、マネースクエアは推奨していないようです。
しかし利益の方がマイナススワップと手数用を上回ればあまり問題ないでしょう。
たとえば米ドル/円で1000通貨を取引するのに必要な手数料は、売って決済で買って約120円です。
マイナススワップは1日あたり1.5円です。
この数字を見ると利益の方が大きくなると思いませんか?
そのためマイナススワップや手数料はそこまで気にする必要はないと思います。
含み損がゼロになるタイミングがない
両建ての動きを見てもらうとわかるかもしれませんが、売り買いのどちらかを損切りしなければ永遠に含み損がなくなることはありません。
たとえば買いのトラリピで100円に戻った時に利益は5000円で、含み損が1000円でした。
この含み損は101円で買った時のポジションが、100円になった時に発生した含み損です。
このポジションの含み損は、101円より上の価格にならなければなくなりません。
売りのトラリピで99円の時に売ったポジションが100円になった時の含み損も1000円で、99円より価格が下がらなければ含み損はそのままです。
このように売り買いのトラリピを注文すると、含み損がなくなるタイミングがないのでなかなか設定を見なおす機会がありません。
しかし100円で買ったポジションを100円になった時に売ってしまい、新たにポジションを持たなければ99円に下がった時は含み損がゼロとなります。
つまり途中でポジションを持たなければ含み損はゼロにすることができるでしょう。
まとめ:両建ては賢く使えば利益は倍になる
両建ては
- 価格が上がっても下がっても利益が取れるので2倍利益が取れる
- 必要証拠金は片方分だけでいい
とうメリットがありますが、
- 鉄雨量やマイナススワップが余計に発生する
- 売りも買いもロスカットレートが発生してしまう
- 含み損がゼロになるタイミングがない
といったデメリットがあります。
このように資金は抑えて利益が2倍取れる両建ては、うまく利用して利益を伸ばしていきましょう。
また両建てと似ているトラリピハーフ&ハーフという手法もありますので、ぜひ比較して参考にしてください。
詳しくは「ほったらかしでいいFXのトラリピとは?初心者にオススメの手法」をご覧ください。
